インドネシア語って? その2

さて、前回書きましたように、インドネシア語で「ごはん」は「ナシ」です。日本語の「めし」に似ていませんか? 「名前」を「ナマ」というのも不思議な気がします。似ていて異なるものと思うとき、もっと知りたいと思われます。この文を書いている私自身、インドネシア語は、初歩も初歩、書きながら学ぼうとしているのですが、今までのところで、面白くお感じになられたら嬉しいことです。

 バリの道を歩いていますと、ノラ犬だか飼い犬だか分からない犬が、正体不明の如く手足をだらんとさせて眠りこんでいるのを、よく見かけます。そんな犬たちを見てか、ガイドブックにも、よく紹介されていますが、これで番犬が勤まるのかと疑ってしまいます。ところが、夜には本領発揮するというではありませんか。それはともかくとして、だらしなく眠っている犬の顔を見ると、何となく滑稽に思われます。
 何でそうなのか分からないでいましたが、ある時、バリの犬は「チチン カチャン」と呼ばれていることを知りました。「チチン」とは、バリ語で「犬」。「カチャン」とは、インドネシア語で「豆」。何故かというと、その顔がピーナッツに似ているからだそうです。知ってか知らずか、日本人が描いた犬のイラストに、ピーナッツに似た顔で表現されているのにぶつかり笑ってしまいました。「チチン カチャン」と、バリの人が言っているのをお聞きになりましたら、「ピーナッツ犬」という訳です。

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以前飼っていた雑種の犬『クロ』
いつの間にかどこかへ行ったきり帰って来ませんでした。

前に飼っていた同じような犬の『クロ』も、年頃になると家に寄り付かなくなり
フーテンの寅さんのように帰って来なくなりました。
怪我をした時にふらっと帰ってきたのが最後でした。

もう犬にクロという名前はつけないようにします。



 そこで、私は亡父が何かを言うにつけ『チチンプイプイ、オンタカタノゴヨウ』と言っていたのを思い出し「チチン」はすぐに覚えられました。連想も言語学習にいいのかもしれませんね……。ついでに、バリ語も覚えてしまいましょう。

 バリの子どもたちは、バリ語もインドネシア語も英語も、耳から学び始め、小学生になって学校で学びます。
バリ語といえば「シン ケンケン」という言葉があります。娘が、蛙の絵に「sing kenken」と印刷したTシャツを作りました。「シン ケンケン」とはインドネシア語で言えば、
tidak apa - apa ティダ アパ  アパ

 この言葉には思い出があります。1992年、バリから帰国するため空港の待合室にいました。まだ乗客の数はちらほらというところでした。一番前の席に陣取った私は、空港の制服を着た係員が傍にきたので、カタコト英語で、「ここに座っていいですか」と尋ねました。彼は「もちろん、いいです」と、答えてくれてから、何かと話しかけてきました。そして「ティダ アパ アパ 大丈夫」と、日本語で言うではありませんか。私がすかさず「シン ケンケン」と、言ったものですから、彼は驚きました。それからも話が弾み、彼の 要望で日本語のアクセントの指導をしてしまいました。彼は、日本語で搭乗案内をしている係員だったのです。
 さて、この「ティダ アパ アパ」という言葉は、彼の言った「大丈夫」という意味とはニュアンスが違うように私には思えました。これはスペイン語の、
que sera,sera
  ケ セラ セラ
でありましょう。ドリス・デイが歌って、日本でも知名度のある歌になっています。従って私は「なるようになる」という意味で、いささか自嘲的な言葉として理解していたからでした。考えてみれば、なるようになるは「大丈夫」に違いありません。誰が彼に「大丈夫」と教えたのでしょうか? 

少し横道に逸れましたが、「チチン」はバリ語で「犬」のことで、「カチャン」はインドネシア語で「豆」。くどいようですが、繰り返しておきましょう。
 昨日、夫が酒のつまみに「茶豆ちらし」というのを買ってきました。そこで、夕食のおかずにもいいかと思って、一皿に盛りました。そして、口に入れて豆の味が分かると「豆はカチャン」という言葉がカチャンと脳裏を掠めました。嬉しいではありませんか。単語一つが、しっかりと頭の中に入っていた訳です。「一つ位で何サ……」聞こえてきそう。

バリを旅するインドネシア語学習ノートより
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by jepunsari | 2013-06-01 13:37 | インドネシア語